L・トーバルズ:「Linuxの商標ライセンス料は1セントももらっていない」 - CNET Japan
Linuxの生みの親であるLinus Torvaldsが、Linuxの商標保護の正当性を主張するとともに、2次ライセンス供与は採算に合わないと主張している。
私のような一般利用者から見ればLinuxはタダの割に質のいいOSという事でありがたい事この上ないわけなんですが、商業的な観点から見るとタダかタダでないかが理解できなくなっている人がいます。
Linuxの商標に関する問題がそれでOSの利用そのものにはお金はかかりません。もちろんRHELのような商用パッケージであれば入手やサポートにお金はかかるものの、中に入っているものの殆どは基本的にタダで入手できます。で、そこの何を勘違いしたかというと、ソフトウェアとしてのLinuxを何らかの形で利用しており、更に事業や企業の"名称として"「Linux」という名前を利用しようとした場合「どちらにお金がかかっているか」がわかってない(または報道できちんと伝わらない)というものです。このお金のかかる場合というのは、「Linuxではない物(事)にLinuxという名をつける場合」であって、例えば「ナントカLinux株式会社」とかいう場合です。
商標にお金がかかるのは、単純にLinuxという名のつく物がそこらじゅうに溢れるのを避けるためなのですが、どうもこの事に対する理解者が少ない。Linus自身はこの商標で得られる(と予測される)収益にはタッチできない(貰えない)という事なのですが、どうもその辺を絡めて意味のない批判をする人が多いわけです。つまり名前もオープンソースなんだから好きに使わせない時点でオープンソースの理念に反する(偽善的だ)とか。この批判の中身は非常に浅いです。特に特許問題と絡めて商標保護を批判するというあたりは頭悪い。「なぜ特許が問題視されているのか」を全く理解せず、単純に「特許を批判している奴が商標を主張しようだなんて自分勝手」と曰う。商標とは何のためにあるのか、特許とは何のためにあるのか、特許が問題視されている理由は何か、なぜLinusは商標の保護を訴えるのか、それぞれキチンと理解した上で批判すべきです。批判というのは「気に食わないと思ったらすぐに騒ぐ」だけでは何にもならず、的確な批判をするには「それを気に入っている人の何倍も、その物事に詳しくないと出来ない」のです。少なくとも自分が批判した際に出てきた単語や時事の意味や内容くらいは詳細に理解していないと何にもなりません。単に「Linusは特許の事を気に入らないらしい→なのに商標は主張するようだ→なんて勝手なやつだ」じゃ何の意味もないです。