japan.linux.com | Windowsの攻勢とデスクトップLinux普及への道
「そのための雰囲気や流れを作り出す必要があります。それが普及への弾みとなるのです。私たちは、そのきっかけを示さなければなりません。マーケティングです。マーケティングをさらに改善する必要があります」
なんというか私よりも妄言たっぷりで萎え萎えなわけですが、この一文には同意です。品質の向上というのはどのソフトウェアにも共通して言える命題でありますから、ひとまずは置いておくとして、重要なのはマーケティングです。よく比較に出されるマイクロソフトを例にすると、彼等はOSの大半はOEMでさばいており、非常に安定した収入と普及率を誇ります。普及率の殆どはここで稼がれているといっても過言じゃないと思います。現状において普及率を容易に稼ぎ維持する手段があるMSにとってはLinux陣営がどれだけ頑張ろうとも大した脅威にはならないでしょうが、そういった状況の中でせいぜい生き残る、世界の片隅で使われるという程度にするには売り方を工夫しなければなりません(あくまでデスクトップ用途としての話)。
ただ、やはりどれだけ頑張っても普及は難しいんじゃないかと思います。MSはこれまで現状のような独占状態を作りだすまでにそれなりの時間と労力を割き、それに伴う汚名も被ってきたわけです。物の出来や評判はともかくとしてMSは相応の苦労と努力を強いられてきたわけです。Linux陣営の努力が足りないとかそういう事を言うわけではありませんが、そうして築きあげられたもの崩すのにはそれ以上の労力と努力、そして現状のMS以上の権力と知名度が必要なわけで、そう考えると現状、そして当面のLinuxには普及率を伸ばすのは非常に困難ではないかと考えます。良いものだから普及するという単純な世の中ではありません(そう考えるorそう思いたい人はいるみたいですが)。
記事の最後で触れられている普及率3割になる地域が−とかいう話が、「Linuxの限度」じゃないかと思います。それも数年で達成されるようなものではなく、最後に打ち上げられた派手な花火としてそうなるという事かもしれません。それ以降はMSが対策をこうじて徐々に立場が危うくなっていく…といった感じになるんじゃないかなと思います。現状ではやはり「放っておくと危ないかもしれないが、本気になって叩き潰す程でもない」としか思われてないと思います。Linuxの規模もそれなりになっており潰しにもコストがかかりますから、好機を見計らって…という事なんじゃないでしょうかね。それを逃せば大急ぎで本気で潰しにかかるんじゃないかと思います。商売の世界はえげつないですから、何でもするんじゃないかと思います。
私個人としましては、「マイナーでもいいし普及しなくてもいい、物の出来の良さだけ追及して市場と普及率は無視しよう」というのが本音です。その方が普及率が何割になったとかいうよりも遥かに有難いです。普及率9割のOSを使わない理由もそこにあります。普及率と物の良さは大して関係ないのです。
ちょっと話がずれますが、昨今のKDEの進歩には興奮を覚えます。あとはartsがどうにかなってくれればマンセーしまくりです。こういうのがあるから好きなんです。私はヲタですから。
Windowsはあまり嫌いじゃないですが、(個人的な用途としては)今となっては使う気も起きません。これはあくまで私の主観ですのでとやかく言われる筋合はナシです。私個人にとっては不要になってる物の必要性や重要性を説かれたところで説得力ゼロですから。あ く ま で 私個人の事ですけどね。
世間的にはWindowsの方が需要が高いとのは重々承知していますし、世間的にはWindowsの方がとっつきやすく扱い易いというという事になっているのも重々承知しています(事実がどうかは別にした上で世間的評価がそうなっているという事を理解しているという意味)。それは否定しませんが、私個人においてはそれらは全く意味のない事です。
私の考えを纏めるとこうです。
・私自身はWindowsとLinux どっちを選ぶかと言われればLinux。Windowsをメインで使うのはまっぴらごめん
・世間ではWindowsが中心でありユーザーの殆どはWindowsを使って(選択して)いるが、それは現状を考えるに「正しい事」だと思う
・世間がWindowsを使ってマンセーしたり四苦八苦してても他人事。自分は、Windowsはせいぜい限定された範囲でしか使わないので、影響は軽微で我慢できる範囲。(特殊な状況は除く)
・基本的には誰が何を使おうと知ったこっちゃない。
・MSが急に潰れる以外の、どんな出来事があろうともLinuxがデスクトップ市場におけるWindowsの地位を揺がす事は100%ないと考えている
・趣味あるいは仕事でもないのにLinuxに触れる事はあまりお勧めしない
・普通の人は、とりあえず皆使ってるWindowsを選ぶのが一番。あえて言えば、普通は選ぶ必要なんてない
Linuxに対して否定的、あるいは後向きな意見と思われて当然ですが、現状を踏まえた上で出した私なりの見解です。
Linuxは個人においてはどうしても必要という事はないでしょうし、セキュリティ対策やら何やら世間で騒がれていますが、セキュリティfixに追従しないウィルスは破壊的なもの以外はほったらかしスパイウェアも影響が少なければほったらかし、更にはそれらを未然に防ぐための対策も怠るというユーザーが数えきれないくらいいる中で、Linuxはセキュリティがどうこう安定性がどうこう可搬性がどうこうカスタマイズ性がどうこう性能がどうこういったところで何の意味も価値もないのだと思われます(あくまで個人利用において)。
そんな事よりは、一般化しているアプリが動くかどうか、解説書が既に販売されてるアプリが動くかどうか、ゲームが楽しめるかどうかの方が一般人にとって遥かに大事なわけです。性能はハードの進歩に頼りきりで問題ないと思わているみたいですし、安全性は問題が起こればとりあえず再インストールすりゃいいや程度に考えられているので、いくら(多くの人がLinuxの利点として考えてる事柄を)説こうとも無価値で無意味な物と考えられても当然じゃないかと思います。
そういった安全性やら何やらと昔からよく言われるLinux利点に価値を見出す事は否定しませんが、その価値は万人にとって共通ではなく、ごくごく一般的な消費者(あえてユーザーとは言わない)にとっては無価値あるいは無視していい程度の価値しかない場合の方が多いんじゃないかと思います。
ちなみに、私には価値のある事です。定期的なバックアップと再インストールがいらないだけで随分楽になったと私個人は思うわけです。また、OSのバージョンアップに合わせてハードの買い換えが必要になる事も稀(というか今のところ無い)ですし、MSに振り回される事もないので、精神的にも楽です。あ く ま で 私の感想ですが。
無価値に思われても仕方ない、とは言っても一応は利点として成立しているわけですから、Linuxにはきちんと価値はあるわけです。ですが、一般人がOS丸ごと入れ替えて、これまで慣れ親しんだ慣習や作法とはかけ離れた全く別の世界に足を踏み入れるだけの冒険をするかどうかと言われれば、「それはまずないだろう」と言えるわけです。その冒険の後に、楽園に辿り着くかどうかというのは、その人とLinuxの相性次第であって、一概にLinuxは良い物だから誰にとっても良いものだと決めつけてかかるのは横暴です。
「良い物」かどうかは主観的に決めるべきです、自分が良いと思えば良い物である、というのは正しい見解であると思いますが、それを人に押し付けるのは良くない。「俺はこれが良いものだと思うんだけど、おまえも試してみたらどうだ」というのは良いんですが、仮に相手が「俺には合わない」と言われても怒るのは(・A・)イクナイ!!です(信者はよくそういうケースでも必死こいて怒ってます)。
万人とって良い物というのは"物によっては"存在すると思いますが、全ての物に「万人とって良い物とそうでない物のルール」を適応するのは良くないです、特に複雑な道具やユーザーの趣味趣向、用途や状況を色濃く反映する物に関しては「良いものは良い」「万人にとって良いものが本当に良いもの」等といった事を適用するのは非常に乱暴です。
これまで私の主観や感想を述べてきたわけですが、何度も言いますが、あくまで私の主観的かつ個人的な見解であり人様に押し付けるものではありません。「こう思ってる奴もいる」という程度に受けとっていただきたい。