2005年02月16日

japan linuxに久しぶりに面白い記事

japan.linux.com | 控えめなリーダーがオープンソース成功の鍵

オープンソースやフリー・ソフトウェアでスポットライトが当たる人も変化してきた。Richard StallmanやEric Raymondは、世間一般やメディア向けという意味では影響力が薄れてきている。その反面、ブランドや企業、セールスに重きを置くStu Cohenの露出が増えており、その隣にはたいてい、最近のメディア受けのいいLinus Torvaldsが控えている。そして、この戦術は功を奏している。以前は、「あんな企業やこんな企業がOSDLに参加した」ということがニュースになったし、今では、週2回の退屈なプレス・リリースで伝えられてくる。Microsoft以外はどこもOSDLに参加するのではないかと思える。



十数年前から数年前かけてはRMSやESRが目立っていて、オープンソースの理念とは理想とは輝ける未来とはうんたらかんたらと唱えていたわけですが、今となってはそうではないというのが記事の趣向。実際、オープンソース陣営の中で表だって喋る人達(記事のライター等は除く)は、IT業界に見られる有名人と比較して割かし冷静であったり、控えめであったりする場合が増えてきており、例えばAppleのジョブスのように人前に立った時は大きな夢や理想を声高に叫んだり、MSのバルマーのように強く優れた会社MSを誇示誇張して他社を怯ませるような演説をしたりという事はあまりしません。

記事ではリーダー(オープンソース界の先端にいる人)のあり方について書かれていますから、私はそのリーダーの影響がオープンソース擁護派にどのような影響を与えたのかを考察していこうと思います。

特にLinuxが流行りだしてからはLinusの影響が強いのか、Linus的な考え方が広まってきているような感じがします。RMSやESRは人々を動かすのに崇高な理念を掲げて啓蒙していたわけですが、Linusは自分がやるかやらないかそれだけといった感じで、どちらかといえばリベラリズム的な感じがします。そういったものに感化されている人がオープンソース陣営に増えてきている事を考えると、RMS嫌いなオープンソース擁護派の存在も頷けるわけです。

ただ、先程例にあげたバルマーやジョブスのような人達との決定的な違いをあげるならば−ここではあえて信奉者という言葉を使いますが悪い意味に捉えないでいただきたい−信奉者を奮い起たせ、喜ばせ、信じこませるような事は言わないといった事があげられます。特にAppleにおけるジョブスの存在価値はそういった意味で多大かつ尊大と言えるのではないかと思います。

オープンソース界においては、直接か間接かは別にしてLinus的なリベラリズムの影響を受けている人達が増えており、あまりそういった啓蒙活動は好まれなくなりつつあると思います。更に言えばRMSやESRが提唱してきた部分が「ビジネスにおいてどう役立つのか」といった事柄に関して非常に注目された時期(さらに批判や論争に繋がった)がありまして、その時期の影響もあってか、オープンソースのありかたや今後の展望に関して冷静に考える一個人も増えてきており、単に勢いと信仰心に任せて行動するといった事は今となっては殆どなくなりつつあるんじゃないかと思います。リベラリズムとリアリズムが現在におけるオープンソース界の主流になりつつあると私は感じています。更にリベラリズムから派生する形でインディビジュアリズムも広まっていると考えます。これらが、RMSが主導していた頃のオープンソース信奉者から現代のオープンソース擁護派の変化だと思います。もちろん全てがそうであるというわけではなく、全体的(オープンソース界における)な"風潮"です。

前述のように聴き手の思考が信仰心といったものとかけ離れると話し手も変ってきます。好まれない人は隅へと追い遣られ、好まれる人が前に出てくる、当然の事です。

こういった事はここ数年のオープンソース界の歩みを見ると当然の事にように思われます。ビジネス界で取り沙汰され、多くの大手企業の参入や支援や、それに伴う問題や柵等々と様々な事が起りましたから、オープンソースを好む(信じる、支援する)人々の考え方が変ってくるのも当然です。

これらはあくまで私から見た、現在のオープンソース界の姿であり人によって違いはあるかと思います。
posted by bf109 at 19:23| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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