japan.linux.com | GIMPの分岐点
GIMPの分割を検討するべきときがきた。今、GIMPには、現在の標準に適合した新しいグラフィカルユーザインタフェースが必要であり、また同時に、オープンソースコミュニティはパブリッシングとWebデザイン用に分離したツールを必要としている。
今時こういう言い方もないだろうが、タダソフトのくせそれこそPhotoshopと置き換えてもいいくらいの機能と性能を持つGimp。Gimpベースの派生ツールはLinuxマンセーでお馴染(?)のハリウッドでも使われていたり(CinePaint)、純正Gimpの方は国内外問わずWebデザイン用として商用利用も個人利用もそれなりに増えていたりで需要は間違いなくあるんですが、UIに関して言えば…即ち使い勝手の面ではまだPhotoshop等のこなれた製品には追い付いてはいないなぁと思います。いやね、別に悪いってわけじゃないんですよ、タダだと思って割り切れば十分お釣がくるような出来だと思ったりもするんですけども、提供者はそこに甘えちゃだめですよね 甘えてる人なんてそういるもんじゃないですが。
最近のGimpのバージョン(2.2.3)になって、私は2.0から移行してきたんですが、また使い勝手が変ってちょっと戸惑ってます。大幅な変更があったわけではないのですが、例えばWindowManagerの中にはWindow装飾(枠)に対して色々な属性を持たせているものがあり−例えば、WinやMacでも同じみの窓上部に普通にタイトルが付くのもそうですし、窓の側面にタイトルバーがついたりボーダーだけになったりボーダーも何もない状態になったり等々といった機能を持ってるWMがある−、そういったものの一部ではWindowの枠が表示されないといった現象がおきてます。おそらく仕様であるとは思うのですがえらく使いにくい。そういった装飾に関する操作を無視するWMは普通にタイトルバーもボーダーも表示されるのですが、普段様々な恩恵を受けている装飾イジりが思わぬところで迷惑をかけている形になってます。UIの話とは直接は関係ありませんが、大した変更じゃないように見えて案外面倒な事になってます。使い勝手の面ではレイヤーに対す操作がもう少し融通が効けばいいかなと思います。以前のバージョンではペーストした領域をレイヤーに変える手順が、領域の名前をダブルクリックして属性変更を出しそのままOKを押せばよかったのですが、今回からは名前を少しでも変えないといけなくなりました。名前を付ける付けないは状況によって違うでしょうし、レイヤーの数もそう増える事もなく、その編集作業一度きりで済んでしまうようなものに対して一々名前をつけてやるというのは少々面倒です。じゃあ名前をつけなきゃいけないケースはというと、それは付ければいいだけであって仕様上の問題ではなく、その都度必要か否かという問題ですからソフト側の仕様としてルールとして定めちゃっていい問題じゃないと思うわけです。
また、ファイル選択画面に関しても、以前はファイル選択画面とプレビュー画面に加えて補完が効く入力ボックスがついていて非常に便利だったわけですが、私が知る限り(portageに従っている限り)2.2.3からは入力ボックスが無くなっています。つまりファイルを探すにはマウスでもってスクロールバーを掴むかホイールマウスをコロコロしながら目視で目的の名前を探し出すしかないわけです。こういった操作は大嫌いです。入力ボックスがGUI操作の邪魔になるわけでもなく、UIを複雑で見難いものにしていたわけでもないし、それが初心者を惑わす害悪となるとも到底思えないわけですが、なぜか撤去されています。場所も名前も既にわかっているファイルは補完入力によって開いた方が早いです。目視で大量のファイルの中から目的のファイルを探しだすというのはPCのために人間が働くようなもので、本来でいえばそういった作業はPCが担当すべきことだと私は思います。PCで出来ない、例えば人間側の意思が漠然としていてその漠然とした部分をPC側がくみとって、思考を代行するという事は不可能なのでその場合は目的のファイルをプレビュー機能を使いながら探しだすというのは結構な事なんですが、目的がはっきりしている場合は操作の手間や時間を省くために補完入力の方が断然効率がいいでしょう。
今のところ文句はいくらでも出てきます。次期バージョンに期待したいところであります。