Wired News - 使える「不良品」チップでコストダウン? - : Hotwired
南カリフォルニア大学で研究を行なうメルビン・ブリューアー教授によると、チップメーカーがチップの不良製品をすべて処分する今のやり方をあらためれば、家電製品は大幅に安くなるという。
不良品を使って安くするんじゃなくて、極力不良品が出ないようにするとかいう方が良いような気がしないでもないですが、それは置いておいて「不良品を使う」という事に対して一言。
"機械が"ミスをするのは良くないです。例え重要な用途じゃないにしてもです。
機械を扱う人間が「何しでかすかわからない」のに、更に機械までミスされたんじゃ一体何が起るのかわかったもんじゃないです。あと不良品の"不良の程度"のチェックも金かかるでしょうよ。特にCPUなんてのは網で魚取るのと一緒で色んな程度のものが混ってきますから、それぞれ検査して分別して−なんてやってられないかと。製品になるかならないかの基準でもって"ゴミか製品か"の二択にしたほうが手間がかからなくていい。
色んな「不良」の相乗効果でわけわかんなくなりますよ たぶん。
ハードの欠陥 ソフトの欠陥 人間のミスと。ハードがとりあえずミスせず人間の言う事さえきちんと聞いて仕事をこなしていれば、何か失敗があった時疑う先はソフトか人間かだけで済むわけですが、そこにハードが絡んでくると問題の幅がグンと広がると思われ。
でもまあ、私のような貧乏人向けに「信頼性が極端に低い代りに、異常に安い」という製品を捨て値で売ってくれるなら歓迎です。いわゆるあれですよ、おせんべいの割れたやつの詰合せみたいなね。おせんべいの方は見て呉れが悪いだけで製品にならず、味は何ら問題ないから食べれますがハードウェアまでそうなるとちょっと不安ではあります。記事にある例を使うと「計算結果に常に2を加える」という不具合があるプロセッサがあったといて、それが本当に「2を加える」という不具合のみなのかどうかというのが疑わしい。例えばその2を加えるという故障の原因が内部で電圧が不安定になってるとか、どっかがショートしてるとか何とかいう場合だったとして、特定の条件下において発熱量が異常に上がるとか、何かの拍子に白煙を吹き上げるとかいう事になると最悪です。突然バチッという音とともに他のパーツを巻き添えにしてショートとか…安物買いの銭失いという典型的な事にもなりかねないです。
無論ですが、記事中にもある通り検査にはコストがかかるので、どの程度まで不具合を追い掛けるかというのも限度があるわけです。「常に2を加える」という不具合は使ってみればすぐわかるでしょうが、それ以外の問題(その不具合の本質的な原因と、それが原因となって引き起す可能性のある問題)は洗い出しきれないんじゃないかなと。
どう考えも「安かろう悪かろう」という製品にしかならないわけで、単に計算結果が狂うからどうだとか言うよりも、物理的な安全性が損なわれる可能性があるという時点で怖いです。