なんかもう、LinusがPPCマシンにLinux入れて使ってるというだけで鬼の首取ったようなノリで記事書かれてますね。微妙な悪意を感じる記事であります。x86を捨てたとか何とかねぇ…大したネタじゃないのに、わざわざ祭りしようとしなくてもいいのに。そもそもLinus一人がx86の開発をやめてPPCマンセーしたと"しても"、他に五万と人間がいるので何ら問題ないですね。まるでx86版Linuxはもう終ったと言わんばかりの記事ですが、全然そんな事はないです。いやはや…なんとも、このライターはちょっとばかりキモいです。何がキモいって思考の流れが変に偏っててキモい。
一番始めに、最もわかりやすく簡単にLinusがなぜデュアルG5マシンをメインで使っているかというのをまとめちゃうとこうです。
「64bit CPUが二個ものっかったパソコンをタダで貰ちゃったから使ってるんだよ」と。MacOS無しで、あえてMac機を使う意義というのは、テスト目的以外ではほとんどなしです。
cnetの記事を読んだ上で、上記のLinusの動機のまとめがすんなりと理解できたなら以下は読まなくても十分です。「LinusがAppleの軍門に下ったニダ!」と思っちゃってる人は続きをどうぞ。
とりあえず、Linusの意見をまとめると
・MacOSは使わない(彼はマイクロカネールベースのものは大嫌い)から、Macを使ってるというのは語弊がある
・今後は64bitCPUが主流になる(記事中ではx86-64とPPC)ので、そういったものに興味がある
・PPC機をタダで貰ったから使ってる
x86を切り捨てるでも、Appleマンセーでもないよと。
次に記事のキモいポイントまとめ
A:なぜそのプラットフォームを捨ててMacintoshに乗り換えたかについて
B:しかし、このカーネルの神様は、えこひいきに取られて非難されるようなことがないよう、すぐに言葉を付け足した。
C:巨大な力を持つようになったLinuxを支えるこの重要人物も、巷にいる他のコンピュータマニアと大差ない。(これはは訳者のミスなのか悪意なのか)
D:なお、Torvaldsはこのマシンを誰がくれたかについては明らかにしなかった。
完結に言うと「捨ててない」「Linusが個人的に何を所有しようと自由、仮に彼一人が個人的に何を贔屓にしようとLinux全体の開発の方針も動向も大きく左右されるものではない」「技術者の大半は元々何らかのマニアが多い」って事でFA。誰から貰ったか明かにしなかったというのは、「善意の寄付です。有名人から貰ったわけではないので名前だしてもわからんでしょう」と言われて「明かにしなかった」なのか、黙秘したのか、そもそもそんな質問はせずLinus自身があれやこれやと自分から勝手に話してはくれなかったのかというはこの遣り取りを直接知る人物じゃないとわかりません。
で、「悪意がある」という理由まとめ(前述の項順に対応してます)。
A:LinusはLinuxの開発においてもx86を切り捨てるつもりだ と誤解されかねない
B:依怙贔屓も何も一個人の自由であるのに、「神様」と擬える事で彼を公人めいたものに見せ掛けようとしている。またLinusの主張を「言い訳」と思わせようという節も見える
C:所詮はヲタだよね(プゲラッチョww って言ってるのと同じ。ヲタという悪いイメージに結びつけたいだけ。技術的な興味や好奇心に基いての行動を軽視しすぎ。ちなみに彼がマニアであるのは彼自身の著書を見ればわかる。彼はその著書のタイトル通りLinuxの開発を始めたのは楽しいからであって、そんなものを楽しいと思えるのは技術者(それも熱心なヲタ気質の人)だけ。この訳者はひきこもりのネトゲヲタから、技術で金を稼げるプログラマも、Linuxの創始者も十把一絡げに扱ってるんでしょうな。ちなみに原文だとパソコンマニアやヲタ(geekやnerd)ではなくtechnology enthusiastとなってます。意味合いとしては原文の方が適切です。技術に対して熱心で好意的な人間こそ技術者に相応しく、凝り固まった一辺倒な考え方をしないあたりも技術者としては有望です。Linus曰く「I'm really a technology whore.」、結構大いに結構です。
D:朝日新聞的。何か裏があるなと感じさせるような書き方。
全体的な印象としては、このライターは「Linusを馬鹿にしてる」という感じですかねぇ。穿った見方と邪推の塊で、Linus自身をバカにしたような文面もチラホラ。私の比じゃないです この危なさ。そして、その上をゆくのが訳者ですね。大袈裟で紛らわしくしてやろうって感じが倍増してます。ちなみに原文を読めばわかるのですがLinusはジョーク(というか軽口)を交えながら答えてます。彼にとってはほんとに何でもない事なんでしょうが、周りが大騒ぎしすぎですね。キモいキモい。この記事中にある唯一の事実は「LinusがデュアルG5搭載のApple製PCにLinuxをブチこんで使ってる」というだけで、それ以外の殆どはライターの主観(それも感想)です。こんなんでライターがやれるなら私でも出来そうですな。
LinusがPPC機を使う事で、Linuxの開発方針や方向性に影響が出ると信じきってしまっている人はこちらをどうぞ。Linux開発は独裁政権じゃありませんので勝手な解釈しない方が吉です。でないとこのライターと同程度って事です。そういった人々はLinusにとっては「とっても面倒臭い人」ってことですな。
トーバルズ、Solarisを斬る - CNET Japan--Linuxにはさまざまな迷信や誤解がありますが、最も腹立たしいものは何ですか。
すぐにカッとなるたちではないので、特に腹立たしいというものはありません。しかし1つだけ、LinuxともITセクターとも直接関係はないのですが、興味をそそられている迷信があります。それは1人の人間、または1つの企業が市場に絶大な影響力を及ぼすという考え方です。この説によれば、ある事態が起きたのは先見の明のある人間がそうなるように「計画」したからだとか。ときには本人もこの説を信じているとみえて、単なる迷信がまことしやかに語られています。
私は自分がLinuxの方向性を「コントロール」していないことを、何度も何度も説明しなければなりません。重要なのは発展を促す環境であり、誰がリーダーかはさほど重要ではない。これはスポーツのコーチや宗教の指導者など、ほかの多くの世界でもいえることです。
書き直し前の記事を読みたい方は続きをどうぞ
posted by bf109 at 11:17| ☁|
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