[この本の特徴]
プログラミングにおける「作法(マナー)」と「作法(作り方・アプローチ)」が載ってる。言語仕様は理解したがその次は…という人にお勧めの本。使用されている言語はCとC++とjava、その言語における最適な設計を考えるのに役立つ実例が多数掲載されている。同じテーマで3種類の言語を使い、異なった言語によって設計のアプローチを変えている点は非常に勉強になると思う。
[内容]
章毎に小規模な課題を中心にして、問題解決、設計、チューニング等を行なっていく事で実際の開発の雰囲気やノウハウが載っている。大まかな内容はコーディングスタイル(マナー)や、アルゴリズムの解説と選択方法、簡単なソフトウェアの設計、インターフェースの設計、デバッグとテスト、性能に関する諸問題の解決方法、移植性といったもので、どれも実用的なプログラムを作る上で非常に重要な事柄であるし、職業プログラマを志すのであれ体に染み込ませておくべき内容であると言える。現職の方も志望者の方も是非とも読んで欲しい一冊だ。
[感想]
「珠玉の−−」とは違って実在する言語で書かれているので読み易い、そして3種類の言語で、各々の特徴を活かした形のものが載っているので、とても勉強になる。単純にCとC++では実際に設計にどのような違いが現われるのかを、比較できる点が非常に良いと思うし、同じオブジェクト指向の言語であるjavaとC++では設計にどのような違いが現われるかというのも非常にためになった。
また、テストやデバッグに関する知識は、やはり個人でやっているとどうしても狭い範囲の事しかわからない場合が多いので、実例が伴う教材というのは意外に貴重なものであると思う。
[読者層]
・最低限、前述の3種類のうちいずれかの言語仕様を理解している人
・個人でプログラミングをしているが、自分の知識が標準的であるか自信がない人
・流れに身を任せているうちにプログラマという職についたが、いまいち周囲の技術者と協調できないという人
・事前に最低限度のマナーくらい習得しておくべきと考える勤勉な人
・現職の人間と技術的な会話を行なったら相手が自分の言ってる事を全く理解してくれなかった…しかも相手の言ってる事もイマイチ理解ができなかったという人
・自分の言葉を理解する人がいない、この世は無能者ばかりだと思っている自称スーパーハッカー
・とにかくこの本を読んでないプログラマやSE全員